ひつじ日和

ひつじです。つらつらと書きます。

有言実行。伊東歌詞太郎から学んだこと。

有言実行
 
この言葉を使う人はとても多い。
ただ、その言葉の意味を理解して使ってる人はいるのだろうか。
言うのは簡単だ。
 
ただ、本当にその言葉の通り、実行している人はいるのだろうか。
その言葉通りに実行することが容易くないと理解してる人はいるだろうか。
 
 
11/17
 
シンガーソングライターの伊東歌詞太郎の3ヶ月に及ぶワンマンライブツアーが豊洲PITで最終日を迎えた。
まだ少し夏の暑さが残っていた8/31の出発式に比べると日中でも少し肌寒さを感じ、月日が経ったことを実感する。
 
彼は全国を旅して、彼自身の出身地である東京へ戻ってきた。
約3000人のファンがファイナルへ駆けつけ、彼の帰りを祝福した。
 
追加で発表された阪名東公演はお帰り編と名付けそれまでのお出かけ編とは一風変わった公演を行った。
 
 
オープニングSEこそは同じだが、始まると一曲からお出かけ編の「パラボラ」と違い「北極星」から始まった。
 
以前と同じの始まりかたに期待せずにはいられなかった。 今まで複数回公演に足を運んだが、過去一番の盛り上がりを見せていた。
その盛り上がりを引き継いで、コールアンドレスポンスの定番「It’s allright」へ。曲中「ここは東京!!」と彼が叫ぶと会場のボルテージはさらに上がる。まだ2曲目なのに会場は完全にひとつになる。
 
次のつながってでは、大阪公演から始まったカラフルな風船が飛び交い、盛り上がりに磨きがかかる。カラフルな風船が舞う様子はまるでぷよぷよの世界が体現されたような感じがした。 その後も新しいことを次々に繰り出す。
 
惑星ループではレーザーが客席に色を添える。あなたに会いたいなという気持ちは彼のファンならいつだってループしてるのではないだろうか……。そんなことを感じずにはいられなかった。
 
4曲を歌い上げると彼は口を開こうとしたが、それ以上に客席からの拍手が勝り中々口を開けなかった。
それだけファンはこの日を待ちわびていたということだろう。
だって僕自身そうだったのだから。
 
やっとの事で口を開いた彼は、今日も最高の音楽を届けると告げる。彼は今回のライブで何度も「次に出す音が、1音が間違いなく最高の音だ。」と言った。
今最高の音楽を歌えば、次に出る言葉はもっと最高になる。
そういう言葉を普通に言える。 彼の生き方に憧れると強く思った。
 
「さよならだけが人生だ」が始まると、 会場の静けさが増す。 感情をここまでもかと言うぐらいに歌に乗せて届けてくる。 聴いているこっちがビリビリするぐらい感情をぶつけてくる。 この曲を聴くと自然と涙が流れてくる。 どんな感情でも彼はきちんと受け止めてくれる。 そう感じた。
 
 続く新譜overtureより「365」ではステージにスクリーンが降り、そこに植物の絵と歌詞が映し出された。彼の表情もスクリーンに投影される。 珍しく汗をかきながらも丁寧に歌い上げた。 この曲を聴きながら、愛する人にきちんと言葉を伝えなくてはいけない。 いつか言えなくなるときが来る。 そんな当たり前な事を気付かせてくれた。
 
 その後、ボカロカバーより、「約束のスターリーナイト」へ。
この時僕は気付いた。
火鳥風月ツアーに行った時と似た感覚に。
北極星、惑星ループ、約束のスターリーナイト…。
彼が喉に爆弾を抱えていた時のあのツアーで歌い上げた曲達。
休止前いつか言っていた、「比べてくれよ」という言葉が脳内をよぎる。 恐らく、彼自身この曲をセットリストに入れるときに同じ事を思ったのではないだろうか。 完全に復活はしているけれど、以前のツアーで歌ったカバー曲をまた2年越しに歌い上げる。それはきっと相当勇気が必要だったはずだ。でも何も変わらず、いつもと同じく高らかに歌い上げた。 本当に恐ろしい人だと感じた。
 
続く、「小さな頃から」でも会場内は静けさを保っていた。
しかし、さよならだけが人生だとは違い、語りかけるように歌っていた。 子供の頃は無限に世界は広がっていたなと今でも思う。 でもその頃にはもう戻れない。 きちんと地に足をつけて歩いて行かないと行けないところまで僕は来てしまっている。 でもあの頃の記憶、大事だと思ったことはいつでも僕のことを支えてくれていると思った。
 
 
 バラードの曲を歌い上げると彼は口を開いた。
彼は音楽と人格は切り離せられないと言った。 聴きながら、本当に自分の軸がぶれていないなと思った。 自分の軸を保って生きていくのはとても大変なことである。
それを、自分のアイデンティティーがなくなりそうになって、苦しい期間を乗り越えてきたのにも拘わらず、そのようなことを言えるなんて、ただただすごいとしか言えなかったし、それ以上の形容することが出来なかったのだ。
それに続いて、「僕は24時間盗聴されたって、盗撮されたってかまわないと思ってる」と冗談染みた発言をしたが、顔を見ると真剣な顔をしていた。
なんでだろう。
彼が言うと実現不可能なことですら可能にしてしまうのではないかと思ってしまう。
そう思うのも今までの彼の言動を見ているからそう思うんだろう。
 
 その後アップテンポな曲に戻り 「アストロ」へ。
大阪公演の時MCで言ってた、以前収録した音源が下手にきこえてびっくりしたと。
あの頃は収録した時の音源が一番上手なはずだったけれど、今唄うと全然違うと。
それだけ真摯に音楽と向き合ってきたのだろう。
でないとそんな言葉が出てくるはずがない。
正直言って違いがどうかなんて分からない。
ただ、一つ分かるのは以前収録した時との経験値の差。 彼がそのような感情をいただいたは、経験値を重ねたから故の出来事だったのではないかと思う。
 
 続けて「ワールド・ランプシェード」へ。
世界の不条理を訴えているような気がした。
嘘がはびこる世界。
1人では生きていけない世界。
見えないものを見ようとして、でも見えてるものは見ないふりをして。
きっと誰もがそう生きている。
でも僕たちは生きている。そのことは忘れるなよと言われている気がした。
 
 後の「からくりピエロ」でも同じような感覚に僕は陥った。
曲中の「認めることだけで前に進めるのに」で頑なに現状から目を背けて 自分が壊れるまで気がつかないようなそんな錯覚に陥った。
本当にカバー曲なのにも拘わらず、彼が歌うと、彼のメッセージが曲に乗って届いてくるのだ。
 
 しかし、そんな世界も素晴らしいと続く「ラピスラズリ」では教えてくれる。
簡単にいくわけじゃない。会いたい人に会えないもどかしさ。
孤独の中にいたって、悲しかったことも、泣いたこともすべて 世界がないと始まらない。 もどかしく、歯がゆい世界。 上手くいかないから楽しい。
確かに、僕も世界が好きだなと思った。
 
 
 彼は自分の目標について語り出した。 2019年に叶えられなかった夢がある。
来年こそは叶えられるように、いい曲をもっと作って、もっといいライブをして、もっと素晴らしい景色を見せたいと。
何処の公演からだろうか。彼は「今日この日を礎にして、また最高のライブをやるからな!」と言っていた。
今日という日が彼の礎になるのなら、こんなに嬉しいことはないなと思った。
 
 
  気付くとライブも後半戦に入っていた。 このライブツアーでお決まりになった、「真夏のダイアモンド」で後半戦をスタートさせ た。
背中を押してくれる曲。 外野なんて気にするな。 大丈夫だ。明日は勝てる。 戦うことの大切さを教えてくれ、背中を押してくれた気がした。
 
 続いても新譜overtureより「革命トライアングル」 人は強くあろうとする。その手段はいろんな事があるが、 この世界で生き抜いていくには「嘘」をつかないと行けない。 恐らく、嘘をつけば最短で強くなれる。 しかし、考え方を変えれば、近道を選択しないとい選択になる。 どんなこと暗い夜でも明けない夜はないんだぜ。 この曲も背中を押し続けてくれていると思った。
 
 アップテンポの曲が続き、「ムーンウォーカー」へ 改めて聴いて、人生の縮図のような曲だと感じた。
この生きていく人生も行く末が分からない。
止まれと言われてもそんな事を無視して飛び越えてしまいたいこともあるだろう。
それでも未来なんて分からなくてもいい。
分からない方が楽しいのだから。
  
  クライマックスに向け盛り上がりを見せ、そのまま「I can't stop fall in love」へ もう彼のライブの定番曲となっている。
会場内でタオルが回る。
曲のイメージの夏と違い、秋だが会場内は紛れもなく夏の様相を呈していた。
終盤に向け会場内はまた1つになる。
 
 盛り上がりのまま、「magic music」へ。
彼と僕たちファンを繋げる曲。
本当に彼のライブに足を運ぶと僕たちは表情を百変化する。
また会えたらあなたのことを思うよ。
それは僕たちだって同じだ。 何度足を運んでも彼の事が好きになっているのは、 彼が音楽にすがってきたからで、僕たちは彼の魔法に掛けられたのだろう。
その魔法は決して解けない。 その事実は変わらないと改めて思った。
 
 そのまま、「帰ろうよマイホームタウン~追想~」へ。
あぁ終わってしまう。そのときに気付く。
彼はホームタウンに帰ってきたのだと。 ホームタウンは何も実家だけではない。
心の居場所や自分が自分らしくいられる場所。
彼は今日一番、ゆったりと歌い上げた。
自分らしくいられる場所、その大切の場所を守っていきたいなと感じた。
 
 最後の曲を歌い上げると彼はステージから去って行ったが 去ってすぐアンコールが鳴り止まない。
アンコールに応えるようにまたステージに戻ってきた彼は強い意思表明をした。
「間違えなく最高のライブになった。でも、今日は礎になる。 だからまた最高な笑顔を見せてくれ!!」 もう彼は未来を見据えていた。
 
 アンコールでは、「パラボラ~ガリレオの夢~」「僕だけのロックスター」を歌い上げ、 後ろ髪を引かれるようにステージを後にした。
「来年以降も、いい曲をつくっていいライブをして、もっといい景色を皆と一緒に、あなたと一緒に見たい」 本当に彼ならもっといい景色を見せてくれると思った。
 今回複数公演に足を運ぶことが出来た。
回数を重ねるにつれ、確実に前に進んでいる彼がそこにはいた。
毎日全力で魂を音楽に注ぎ、バカみたいに真っ直ぐすすみ、 自分の軸をぶれずに保っている。
いつ行っても変わらない彼がそこにいた。
彼に出会えて本当に良かったと心から思う。
ライブで何回も言っていた、叶えたい夢。
夢を追い続けることの大変さと大切さ。
そのことを今回のライブツアーで彼から学んだと思う。
同時に、有言実行の難しさ。
彼自身、今年実行できなかった事もある。
あれだけ真っ直ぐに生きていてもなお実行できないのだ。
本当に言葉には言霊が宿っているんだなと思う。
でも言葉にする大切さ、そういうことも彼は伝えているのではないかとも思う。
2020年さらに進化した彼が待っている。
そう思うと、不思議と生きていく活力が沸いてくる。
新しい彼を最高の仲間達と迎えたい。
そのことは言葉に残しておきたい。
 
そして、必ず実行したいと強く思う。